源氏物語
第33帖藤裏葉
光源氏39 紫の上:31 東宮（春宮） 明石の君:30
明石の姫君:11 夕霧:18 雲居の雁:20 左大臣
麗景殿女御 兵部卿宮 朝顔 秋好中宮
紫式部
宇治市源氏物語ミュージアム
夕霧と雲井の雁は以前からすれ違いが多く、一見しっくりいっていないようにも見えるが、やはり両想いの仲なのである。
内大臣はあれほど強固にふたりの結婚に反対していたのに、ここにきて急に弱気になっている。
中務の宮が、姫宮と夕霧との縁談を進めているとの噂を耳にしてからである。
噂が事実と判明したとたん、内大臣の立場は逆転した。
もし夕霧と姫宮との結婚が成立すれば、悔やんでも悔やみきれないであろうことに思い当ったからである。
雲井の雁の相手として家格、人物、教養など全てにおいて夕霧ほどふさわしい若者は滅多にいないであろう。
もし新しい結婚相手を探すとなると、どう考えても夕霧以上の貴公子はいない。
夕霧を婿にしたい中務の宮の出現で、逃がしかけている魚は途方もなく大きいことに気がついた。
「だからといって私の方から頭を下げて申し込むのはいかにも世間体が悪い。
どのような機会に、それとなく切り出したらよかろう」
三月二十日は、夕霧（母方）にとっても雲井の雁（父方）にとっても祖母に当たる故大宮の命日である。
内大臣は、柏木ら子息たちをみんな引き連れて法事の執り行われる極楽寺に参詣した。
立派な上達部などもおおぜい法要に集っているが、夕霧はだれにも引けを取らない堂々とした美丈夫である。
夕霧にとって、伯父・内大臣のイメージは決してよろしくない。
幼いころ、夕霧と雲井の雁はふたりの共通の祖母である大宮の手元で仲よく遊んでいた。
そのうち互いの心に、淡い恋心が芽生えはじめてもいた。
そのことに気がついて激怒したのが内大臣であり、ふたりの孫を自由にさせていた母・大宮に当たり散らした。
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ささやかなこの人生 風 歌詞付き 本人
伊勢正三
