第二十九帖 行幸
光源氏36 紫の上28 蛍兵部卿宮 玉鬘24 内大臣39
秋好中宮27 夕霧15 明石の君:27 柏木20
明石の姫君8 髭黒右大将31 花散里22
雲井の雁 弁少将 近江の君
冷泉帝18
春日大社
藤原氏一門の氏神。
奈良時代に「平城京の守護」と
「国民の繁栄」を祈願して創建された。
「姫君に宮仕えを勧めてみたのですが、秋好中宮や弘徽殿女御が宮中にいらっしゃることなどもあって思い悩んでおられるようです。
もし誰にも気兼ねする必要がなければ、帝をひと目でも拝すれば宮仕えを考えない女性はいないでしょう」
源氏が語りかけると、紫の上は、
「そんなことは、ありませんわ。
帝がどれほど素敵な方でも、だから宮仕えをしたいと考えるなんて余りにも軽はずみではありませんか」
といって笑った。
「さあ、どうでしょうか。
そういうあなたこそ、きっと夢中になると思いますよ」
源氏は、来年二月に玉鬘の「裳着の式」を挙げたいと思っている。
「女は深窓で暮らしているうちは必ずしも氏神への参詣をしないので、玉鬘は年ごろになるまでずっと私の娘として過ごしてきた。
しかし宮仕えのことを考えれば、このままでは藤原氏の氏神である『春日明神』の御神慮に背くことになる」
あれこれ思案した結果、内大臣に打ち明けることにした。
そして内大臣に「裳着の式」の腰結役を務めてほしいと依頼したが、去年の冬頃から大宮が重篤だからと断ってきた。
夕霧も、三条宮邸に詰めて祖母を看病しているようだ。
「世の中は、まことに無常なもの。
大宮が生きておられるうちに、大宮にも玉鬘のことを打ち明けよう」
歌枕直美の世界~
歌で日本の歴史と未来をつないでいく
Naomi Utamakura
福岡県出身者の歌 ♪ 女性編 壱