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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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常夏⑥名人上手

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二十六帖常夏

 

光源氏36 紫の上28 蛍兵部卿宮  玉鬘24  内大臣39  

秋好中宮27 夕霧15 明石の君:27 柏木20

明石の姫君8 髭黒右大将  花散里22

雲井の雁  弁少将

 

 

撫子なでしこ

帖名「常夏」は、撫子の古称

 

 

 

光源氏  玉鬘  内大臣

 

 

 

 

玉鬘は和琴を習い始めたばかり。

 

もっともっと上達したいので、父・内大臣の弾く和琴の調べを聴きたいと思っている。

 

「こちらのお邸で管弦のお遊びなどがあります折には、是非ともお聴かせ下さいませ。

筑紫の田舎でも、和琴を奏でる者が大勢おりましたから簡単に弾ける楽器だとばかり思っておりました。

名人上手が奏でられる音色は、そんなものではないのですね」

 

玉鬘内大臣の奏でる和琴の音色を聴きたそうだから、

 

源氏

 

「そうですよ。

和琴は東琴とも呼んでいかにも田舎めいていますが、の御前での管弦のお遊びの折にも、真っ先に和琴の奏者をお召しになります。

 

異国は知らず、わが国では和琴を楽器の第一としているからでしょう

 

 

 


第一人者の内大臣から直接手ほどきを受けられたら、さぞかし上達されることでしょうよ。

何かの機会にお越しになるでしょうが、和琴を秘術を惜しまずに演奏されることはまずありません。

 

名人上手と呼ばれるような人は、どの道の人も、そう簡単には手の内を見せないものです。
まあ、いつか内大臣の和琴をお聴きになれましょう」

 

そういうと、源氏は和琴を爪弾いた。

 

和琴を弾く源氏の姿はとても優雅で、音色は華やかである。

 

 

 

 

「こんなにお上手な源氏の君よりも、父上の弾かれる和琴のほうがもっと妙なる音色が出るのかしら」

 

玉鬘は少し誇らしく思うとともに、ますます内大臣に会いたくなった。

 

「いつになったら、父上はわたしの目の前でお弾きくださるのかしら」

 

 

 

 

 

       

 

天海 祐希 - 源氏物語

 

 

 

 

 

 

 

 

    


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