帷子 几帳(きちょう)や帳(とばり)などに用いて垂らす絹
石山寺「源氏の間」で執筆する紫式部 滋賀県大津市
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左大臣と母宮は、葵の上が源氏に遺言しておきたい事があるのだろうと思って座を外した。
僧らは加持をやめ法華経を声を低めて読みはじめたが、そのことがかえって尊く聞こえる。
源氏が几帳の帷子を引き上げて、床についている葵の上の様子を見ると、いつものように美しい姿のまま、お腹だけがたいそう高くふくれた姿で臥している。
源氏は葵の上の手を取って、言葉もなくよよと泣いた。
「あんまりです。私になんと、つらく悲しい思いをさせるのですか」
結婚当初からうまくいかず気づまりでよそよそしい夫婦仲だったが、気だるそうに目を開いて源氏をじっと見つめている。
その目から、涙がほろほろと----。
源氏は、愛おしさに胸がつまった。
「そんなに思い詰めないで下さい。大したことではなく、すぐに治ります。
夫婦はいつか必ずふたたび会えるといいます。また、父君や母君など前世から縁の深い方々とは輪廻転生を重ねても縁は切れません。お会いできる時がくると信じて下さい」
*輪廻転生(りんねてんしょう) 人が生死を繰り返すこと
言葉を尽くして慰めると、
「いえ、そうではありません。苦しいので調伏をゆるめて下さいとお願いしたかったのです。私は当家に迷って来ようとは少しも思っておりませんが、物を思いつめた人の魂は我知らずわが身からさ迷い出るようです」
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聞く耳を持たぬ一国の宰相!! 人相はどうですか
他人の批判的な意見を受け止める度量がないのか、そもそも聞く気がないのか。
国会質疑だけでなく、市民の質問に対しても、自分の意に沿わないと、「見解の相違ですね」と切って捨てる。説得しようとしない。
しかしもっと深刻なのは、ヒットラーを彷彿とさせる安倍氏の言動を賞賛する声が多いこと。歴史的に、権威や権力を「ありがたいもの」とみなし、ひたすら
隷従してきた国民性の残滓なのだろう。