
階隠しとは、社殿や寝殿造りの殿舎で正面の階段上に柱を2本立てて突出させた庇(ひさし)

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
絵に描いた女(末摘花)を見ることさえ、疎ましい。
今度は、自分の鼻に紅をつけて赤く染めた。
源氏ほどの美しい顔立ちでも、鼻の先が赤いとやはりみっともない。
からかい半分に、若紫(のちの紫の上)にたずねた。
「わたしが赤鼻になったら、姫はどうしますか」
「そんなの、ダメです」
若紫は驚いて拭き取ろうとするが、紅はなかなか落ちない。
「大変なことになりました。とんだ悪ふざけです。帝にこっぴどく叱られましょう」
源氏がさも困ったようにいうので、若紫は紅が鼻に染み付いてしまうのだろうかと本気で心配している。
ふたりがじゃれ合っている様子は、まるで仲の良い兄妹のようだ。
階隠しの下に、早咲きの紅梅がひともとあって、もう紅の花をつけている。
源氏はその花を目にすると、雪の日に初めて見た末摘花を思いだした。
○紅の 花ぞあやなく うとまるる
梅の立ち枝は なつかしけれど
(末摘花を見てからというもの)、紅の花がどうにも厭わしい。紅梅の高く伸びた枝には心ひかれるが。ここまで執拗だと、度の過ぎたいじめではないか。
紫式部によほど憎ったらしい女がいた?まさか、『紫式部日記』で悪態をついている清少納言ではあるまい。
十月十日頃、桐壺帝は朱雀(すざく)院へ行幸(ぎょうこう)して、紅葉の賀宴(がえん)を催すことになった。
枕草子―付現代語訳 (上巻) (角川ソフィア文庫 (SP32))/角川学芸出版

¥950
Amazon.co.jp
ダスティン・ホフマンになれなかった男は、青春を卒業できないということか。テーマ曲も挿入歌も、素晴らしい。
20代の方は必見だと思います。30代以上の中には、切なさに胸が痛くなる方がいらっしゃるかも知れません。
卒業 デジタルニューマスター版 [DVD]/東北新社

¥2,700
Amazon.co.jp
