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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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末摘花①古典文学No.1の醜女

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末摘花系図
 末摘花(すえつむはな)関連系図


末摘花 末摘花光源氏


ちょっと変わった秘蔵っ娘である姫君(若紫)との楽しい日々から、物語はいきなり日本古典文学における屈指のあるいは一番の醜女(しこめ)である末摘花との恋愛話へきりかわる。

だからといって、源氏若紫との絡みがこれで終わりなのではない。

若紫はのちに源氏最愛の妻、紫の上として準主演クラスの役割を演じつづける。


とにかく絶世の美男子とされる源氏は、天下の美女から醜女No.1までじつに守備範囲が広い。

といっても、当時、男と女が初めて会うのは夜の暗闇。

何度か恋文(和歌)のやりとりをしたあと、男が女に仕えている女房に導かれて女の寝室にはいるのだ。

暗がりのなかで互いの顔や体は見えないままに手さぐりで男女の関係を結ぶのだから、どんな相手なのかは当人たちには分からずじまいである。

それでも、男が3夜つづけて通えば結婚が成立する。

源氏の女の好みが、とりたてて広かったわけではないのかも知れない。

じっさい明るい場所で初めて末摘花を見たとき、失礼なことに心底おどろいている。

ただ、美醜にかかわらず一度でも契った女は、その必要がある場合は終生経済的な面倒をみている。


若紫を二条院に招いたころ、源氏は亡くなった夕顔を忘れられずにいた。

嫉妬に狂った六条御息所(ろくじょうみやすどころ)の生霊(いきりょう 物の怪)に取り殺された、シダレヤナギの細枝のようになよなよとした、あの夕顔である。

もともとはライバルである頭の中将(とうのちゅうじょう)の恋人で、娘(玉鬘 たまかずら)までなしていた。





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