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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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若紫 24 源氏、姫君を盗む

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随人  随人 ずいじん/ボディーガード


つまど  妻戸  両開きの板戸


時代祭 時代祭り10月15~23日
1895年(明治28)、平安神宮の創建を祝って始められた。葵祭や祇園祭とともに京都三大祭りの一つだが、歴史は浅い。


源氏の使いでやってきた惟光(これみつ)が、「今日か明日のうちに姫君が兵部卿宮邸に引き取られる」ということを知った。

源氏は左大臣邸で報告を受けた。

葵の上はいつものように奥の部屋に閉じこもったままである。


姫君が兵部卿宮邸に移られてから連れ出せば、いかにも好色めいてみえよう。

姫君が情を通じてのことだろうと思われる年ごろであれば世間にはよくあることだが、一方的に『幼い姫を盗み出した』と世間から非難されるにちがいない。

また、兵部卿宮に知られた場合、にあわせる顔がない。

宮邸に向かわれる前にこちらにお連れする。暗い時分にお迎えに行くので、随身2名と牛車の準備を整えておくように」


惟光が妻戸を叩いて、少納言の乳母を呼んだ。

源氏の君がおいでです」

姫君はお寝みになっておられます。どうしてこんな夜更けに」

乳母は、どこか他の女の所からの朝帰りと思っている。

姫君は兵部卿宮邸へ移られるそうですが、その前にお話ししたいことがあります」

源氏がいうと、乳母

「どのようなお話でございますか。はっきりとお返事ができましょう」

皮肉っぽくいって、微笑んでいる。

源氏がかまわず中へ入っていくと、乳母が困って制止した。

「人目がないので、年配の女房たちがだらしない格好で寝んでおります」


姫君はまだお目覚めではないですか。起こして差し上げましょう。こんなに美しい朝霧を知らないのは惜しいですよ」

そういいながら、源氏姫君の御帳台(みちょうだい)の中に入っていった。





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