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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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夕顔②出会い

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夕顔3  夕 顔

源氏夕顔巻  源氏夕顔巻
 『月百姿 つきひゃくし』 月岡芳年 (最後の浮世絵師)


従者が夕顔の茎を折っていると、家の中から女の子が出てきて白い扇を差し出した。

扇には、香が焚き染めてある。

「その夕顔の花を、この扇に載せて下さい」

粗末な家だが、たしなみの深い女が住んでいるようだ。


源氏がその扇を受け取ると流麗な筆跡で和歌が認めてある。

女の方から先に、男に和歌を詠みかけるのは珍しい。

そのことと和歌の内容とで、女の素性について色々と詮索している老女流作家がいる

○心あてに それかとぞみる 白露の 

    光そへたる 夕顔の花

あて推量ですが、「あの方かしら?」と思っております。あなた様の白露のような美しさで、わが家の夕顔の花が一段と美しく見えます。

この歌から、その家の女を夕顔と呼ぶ。

源氏は和歌の詠み人に魅かれ、その場ですぐに返歌を書いて従者に持たせた。

○寄りてこそ  それかとも見め  たそかれに

    ほのぼの見つる 花の夕顔

近くに来て確かめたら如何ですか。黄昏時にほのかに見える夕顔の花を


これが、はかない夕顔との出会いだった。






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