「空蝉(うつせみ)」の語源 十二単(じゅうにひとえ)の脱け殻
空蝉は親子ほどに年齢の離れた伊予介(いよのすけ)の後妻になっていた。
やがて夜が更け、供の者たちは酒の酔いも手伝って寝入ってしまった。
源氏は意識が冴えて、まんじりともしない。
頭中将(とうのちゅうじょ)の、「中流の女は面白い」という言葉が脳裏を去らないのだ。
その中流の女である空蝉が、同じ紀伊守の屋敷にいる。
暗闇の襖ごしに、若い女と少年の声が聞こえてきた。
「どこにいるの、お姉さま」
「ここよ、小君。源氏の君はどんな方だった?」
「立派な方でした。ウワサ以上に美しい方で、まともにお顔を見られませんでした」
「そうなの。昼間の明るいうちだったら、私ものぞき見したかったわ」
どうやら、若い女は空蝉で、少年は小君らしい。
しばらくすると、また空蝉の声が聞こえてきた。
「中将(女房の名前)はどこに行ったのかしら。そばに誰もいないと不安だわ」
ある女房が応えている。
「下の屋に、湯を使いに行きました。すぐに戻ります」
襖の向こうに空蝉が一人でいると思ったのか、源氏はやおら起き上がった。
そして、襖を引くとカギがかかっていないらしくすんなり開いた。
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