『国譲り(降伏)』の条件だった古代出雲大社(復元図)
宍道湖の夕暮れ
今度は、タケミカヅチがタケミナカタの手首をつかんだ。
つかむと同時に、葦の若葉を摘むように手首をグシャリと握りつぶした。
そして、千切った手首から先を、思いっきり遠くへ放り投げる。
タケミナカタは、自分の手先が飛んでゆくのを見て恐怖におののいた。
圧倒的な力の差に恥も外聞もなく敵前逃亡するが、信濃の諏訪湖でタケミカヅチに追いつかれた。
殺されそうになったとき、降伏を申し出る。
「分かりました。どうかお助け下さい。私は諏訪に留まります。父オホクニヌシの命令と兄コトシロヌシの言葉に背きません。この葦原中国を、アマテラスに差し上げましょう」
タケミカヅチは出雲に戻って、オオクニヌシに報告した。
ここに、『国譲り(降伏)』が成立する。
つまり、はるか昔、葦原中つ国(日本)は髙天原(中国大陸か朝鮮半島のどこか)に武力で占領されたのだ。
神話といっても何らかの現実の反映であり、国を奪った側が自分に都合よく書き留めた物語である。
『国譲り』にあたって、オオクニヌシは高天原にあるような壮大な宮殿を造営してくれるよう条件を出すのが精一杯だった。
出雲大社創建の謂われである。(オオクニヌシ 完)
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武力に長けた髙天原のタケミカヅチの末裔たち!?が、再び堂々と葦原中つ国の領海に侵入するようになった。