スサノオの命により、またスクナビコナとオオモノヌシの助力によって、オオクニヌシは国造りに励み、次第に領土を拡大していった。
葦原中つ国(地上)である。
その様子を高天原から眺めていたアマテラスは突然、葦原中つ国は自分の子孫が治めるべきだと主張し始めた
北方領土や尖閣諸島問題などにつながる、外国による領土拡張主義の神話版だが、まことに勝手な言い草である。
アマテラスは、国譲りの交渉にあたる使者を次々に出雲へ派遣した。
まず、アメノホヒを遣わすが、彼はオオクニヌシに心酔してとうとう高天原に戻ることはなかった。
次に、アメノワカヒコを選んだが、オオクニヌシの娘シタテルヒメと結婚した。
そして、いずれ葦原中つ国を自分のものにしようと企んで、8年たっても高天原に復命しなかった。
そこで、雉の鳴女(なきめ)を送って戻らない理由を尋ねさせると、アメノワカヒコは、タカミムスビから与えられていた弓矢(天羽々矢と天鹿児弓)で鳴女を射殺してしまう。
しかもその矢は、雉を射抜いて高天原へ届いた。
怒ったタカミムスビが、「持ち主のもとへ帰れ」と矢を投げ返すと、矢は出雲へ飛んでいきアメノワカヒコの胸を貫いた。
3度目の使者、タケミカヅチとアメノトリフネは出雲の稲佐の浜に降り立ち、草薙の剣を波頭に突き立てた。
そして、タケミカヅチは刃先に胡坐をかくと、オオクニヌシと国譲りの交渉を開始する。
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