ヌナカワヒメとタケミナカタの像 … 新潟県糸魚川市の海望公園
「私ひとりで、どうやって国造りを進めよう」
オオクニヌシがスクナビコナという協力者を失って困り果てていると、海を照らしながら一柱の神が姿を現した。
その神は、「わたしは、あなたの幸魂奇魂です。私をていねいに祀ってくれれば、国造りに協力しましょう」と申し出る。
・和魂(さきみたま) 神の穏やかな姿。
・奇魂(くしみたま) 不思議な力をもち物事を成就させる
オオクニヌシが、たずねた。
「どのように、お祀りすればよろしいのでしょうか」
「大和の三輪山に祀ってほしい」
この神は、奈良県桜井市の三輪山に鎮座している大神(おおみわ)神社の主祭神・オオモノヌシである。
オオクニヌシは、オオモノヌシの助けをえて、葦原中つ国を完成させた。
なお、オオクニヌシは国造りに励む一方、女神関係が華やかで多くの浮き名を流している。
かつて八十神が争って求婚したものの、すげなく断られたヤガミヒメが、かねての約束通りオオクニヌシに会うため出雲(島根県)にやって来た。
しかし、正妻のスセリビメに遠慮して、オオクニヌシとの間の子神を、木の又に差し挟んだまま、因幡の国(鳥取県)に帰ってしまった。
この話は、容姿端麗な吉備(岡山県)の黒媛(くろひめ)が仁徳天皇の寵愛を受けながら、磐媛(いわのひめ)皇后の嫉妬を恐れて、吉備に逃げ帰った故事を連想する。
源頼朝の妻・北条政子も、とんでもなく怖かったようだ。
オオクニヌシは、越の国(福井~秋田県)の沼河(ぬなかわ)に住んでいる才色兼備で名高いヌナカワヒメを第二夫人にしようと夜遅く訪れて、窓の外から恋の歌をよんだ。
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