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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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大国主②因幡の白兎

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$吉備路残照△古代ロマン-サメの背中を跳ぶ白兔  ワニの背中を跳ぶ白兎

「ウサギさん、どうして泣いているの?」

オオクニヌシが、たずねた。

「ぼくは隠岐の島に住んでいるのですが、ずっとこちらに来たいと思っていました。でも、海を渡る方法がありませんでした。そして、ある日、ある計略を思いついて、ワニたちに持ちかけたのです。

『ワニさんたちとぼくたちウサギと、どちらが仲間が多いか比べてみましょうよ。仲間をみんな集めて、ここから気多の岬まで並んで下さい。ぼくが、ワニさんたちの背中を跳びながら数えましょう』

ワニたちは海面に一列に並んでくれました。ぼくはワニの背中を跳んで、こちらへやって来ました。そして、最後のワニの背中を跳びはねて陸地に下りようとした時、つい本心を漏らしてしまったのです。

『や~い、お前たちは騙されたんだぞ~』

すると、怒ったワニたちはぼくを捕えて、皮を剥いでしまいました。騙したのだから、自業自得です。

それから、先ほど通りかかった八十神に教えられた通りにしたら、このありさまです」。

オオクニヌシは、やさしく教えた。

「川へ行って、真水で傷をきれいに洗いなさい。それから、蒲(ガマ)の花粉を敷いて、その上で転がりなさい。きっと治るよ」

兎がその通りにすると、身体がすっかり元通りになった。

そういうこともあって、オオクニヌシは、「医療の神」としても崇められている。

兎はのちに、白兎神(しろうさぎのかみ)と呼ばれるようになる。

また、兎はオオクニヌシに予言した。

ヤガミヒメは、八十神ではなく、あなたを選ぶでしょう」

なお、この神話から、白兎を祭る白兎神社(はくとじんじゃ 鳥取市)は、「未知の異性との出会い」ではなく、「意中の人との結縁」にご利益があるとされている。

八十神たちはヤガミヒメに求婚するが、きっぱりと断られた。

「私は、オオクニヌシ様と結婚します。どうぞ、皆さんはお引き取りください」。

怒った八十神は、オオクニヌシを殺そうとする。


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