Quantcast
Channel: 吉備路残照△古代ロマン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

平家物語の群像 宗盛被斬④清宗、享年16

$
0
0


$吉備路残照△古代ロマン-西方浄土  平等院鳳凰堂
 藤原頼通が西方浄土に憧れて建立した


橘公長(たちばなきみなが)が太刀を振り上げると、宗盛(むねもり)は念仏を止めた。

「もう清宗(きよむね)は、斬ったのか」

公長が太刀を振り下ろすと、宗盛の首はゴロンと前に落ちた。

湛豪(たんごう)は涙にむせび、居合わせた鎌倉武士たちも泣いている。

この公長は父祖以来の平家の家人で、公長自身は生前の知盛(とももり)に仕えていた。

「時流に媚びへつらうのは人の常、とはいいながら余りにも情け知らずではないか」と人々は公長を蔑んだ。


湛豪は、清宗にも念仏を唱えるように勧めた。

清宗が、湛豪にたずねる。

「父の最期はどうでしたか」

「ご立派でした。ご安心ください」

「もうこの世に思い残すことはありません。さあ、早く」

今度は、堀景光が太刀を振りかざした。

清宗、享年16。

義経が、ふたりの首を持って京へ向かった。

都につくと、公長の指図で、部下たちが二人の亡き骸をひとつの穴に埋めた。

宗盛が死の直前に懇願していたからである。



図説あらすじでわかる!法然と極楽浄土/林田康順【RCP】

¥1,190
楽天


【TNA31 日本の庭園~銀閣寺・平等院・龍安寺・・・癒しの庭散策~

¥4,427
楽天


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

Trending Articles