三種の神器
(上から 八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉)
源平が激しく命のやりとりをしているただ中、義経はふと気が付いた。
「平家方の船には、安徳天皇がおられ、三種の神器がある」
兄の頼朝と後白河法皇に、三種の神器を必ず取り返してくるように強く命じられている。
「はて、どうしたものか」と思案していると、白雲らしきものが虚空に漂っているのが見えた。
近づいてくると、それは雲ではなく1流の白旗。
(平家の赤旗に対して、源氏は白旗)
源氏の船の船首へ、旗竿に触れるくらいに舞い下りてきた。
それを見た義経が、叫んだ。
「これは、八幡大菩薩の現れに違いない」
義経はよろこんで兜を脱ぎ手を洗い嗽をして、これを拝んだ。
兵たちも皆、手を洗い嗽をして拝む。
しばらくすると、沖合から1~2千頭のイルカの群れが、水面に顔を出して平家の船団に向かって泳いできた。
平宗盛は、陰陽師の安倍晴信を呼んだ。
「イルカはこの辺りにはいつも多いが、これほどの大軍は見ない。占ってみよ」
「イルカの群れが沖へ戻ったら源氏が滅ぶでしょう。もし、平家の船団の下を通り過ぎたら、お味方が危うくなります」
晴信が言い終わるか終わらないうちに、イルカの群れが平家の船団の下を、まっすぐに泳いで去っった。
平家一門の運命は、もはや風前の灯のように思われる。
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日本の今の風潮として、政治家にも一般の我々にも、「もし日中間に戦端が開かれたら、日米安保によってアメリカが助けてくれるだろう」という妙な米国頼みの安心感がある。
というよりも大半の日本人は、「戦争なんか起きるはずはない。自分には関係ない」と思っているだろう。
かつて、アメリカ人(特にWASP)の父祖の国・イギリスがアルゼンチンと戦ったフォークランド紛争のとき、米国は一兵たりとも出していない。
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平家物語の群像 義経39猛き者も遂には滅びぬ
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