『耀武八景 大寺晩鐘悪七兵衛景清』 歌川国芳画
美尾屋十郎がまっ先に駆けて行ったが、平家方の楯の後ろから飛んできた矢で、
十郎の馬の胸が、矢先が隠れるほどに深く射られた。
馬は、屏風を倒すようにひっくり返った。
十郎は馬の左脚を飛び越え、馬の右側に立つや、すぐに小太刀を抜いた。
平家方の武者は、長刀を振り回して十郎に襲いかかる。
十郎は小太刀では長刀に敵わないと思ったか、地面を這うようにして逃げ出した。
長刀を持った武者が、追いかける。
長刀を右の脇に抱え、左手で十郎の兜をつかもうとした。
十郎は逃げるが、ついに4度目に兜をつかまれた。
十郎はしばらく堪えていたが、兜の鉢に付いている板を切って、逃げた。
源氏の残りの4騎は、馬を射られたくないのか高みの見物をしている。
十郎は彼らの馬の陰に逃げ込んで、ようやく息を整えた。
平家の武者は追って来なかった。
十郎の兜を長刀の先に貫いて高く掲げ、大音声を上げた。
「遠からん者は音にも聞け、近からん者は目にも見給へ。これこそ京童部(きょうわらわべ)の喚(よ)ぶなる上総悪七兵衛景清よ」
平家方では、景清の活躍に気を取り直して、「悪七兵衛討たすな者ども。景清討たすな続けや」と、200人余りが渚に上がって楯を並べ、「源氏よ、かかって来い」と招いた。
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英国のBBC(日本ではNHKに相当)の映像で人が燃えています。心優しい方は、御覧にならない方が精神衛生上よろしいかと思います。
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平家物語の群像 義経28遠からん者は音にも聞け
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