現在の 岐阜城
この頃から、信長に戦乱の世をまとめて天下を統一しようという気持ちが具体化し、政治的かつ軍事的な日程に上るようになった。
そして、天下統一の自らの意思を内外に示すため、「天下布武」の朱印を用い始める。
また稲葉山城を、中国の周王朝発祥の地、岐山にちなんで岐阜城と改名した。
現在の岐阜市のはじまりである。
信長にとって、天下布武の前には肉親の情も家臣への温情も仏教の聖地もない。
障害物は、たとえ比叡山であろうと叩き潰す。
役に立たない無能な人間は、佐久間信盛ら過去に功績のあった重臣でもただちに追放した。
裏切り者の家族は、見せしめのために女性や子供をふくめて皆殺しだ。
姉川の戦いのあと、朝倉義景側についた妹・お市の方の夫である浅井長政ら、敵将のドクロに酒を注いで祝宴をはり、部将らを震え上がらせたともいう。
カミソリのような冷酷な計算と、身もすくむような非情さが、ここにはある。
一方、信長はたぐいまれな科学的合理主義者であった。
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夢まぼろしの如く ⑥冷酷にして非情
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