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平家物語の群像 義経②清盛、常盤の色香に迷う

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$吉備路残照△古代ロマン-常盤御前  常盤御前 歌川国芳

清盛が切り出した条件とは、「母の関屋と3人の息子たちを助命するから、自分の愛妾になれ」というものだった。

常盤は、都中から容姿端麗な女性千人が参加した 「ミス京都コンテスト」 でグランプリに輝いたほどの美女である。

清盛は、先に、継母池の禅尼の執拗な助命嘆願に根負けして頼朝の命を助け、今度は、
常盤の色香に迷って、義経3兄弟の命をとらなかった。

ライバルだった故義朝の息子たち4人を、武門の棟梁らしからぬ脇の甘さで助命したことになる。

平家滅亡の要因として、重盛のあと嫡流の維盛から奪う形で棟梁に就いた宗盛の「無能」が言われるが、
清盛の責任のほうが、よほど重大ではないだろうか。

とにかく、常盤は清盛の愛妾となり、老母関屋と息子たちの命は助かった。

それにしても、源氏の棟梁の愛妾から平家の棟梁の愛妾になった常盤の心中は、いかばかりだったろう。

前代未聞ではある。




今若と乙若はそれぞれ別々の寺に預けられ、乳飲み子だった牛若は常盤の手元で育てられた。

そして、4歳をすぎたころに牛若は山科に移され、7歳になると鞍馬山の別当東光坊に預けられる。

東光坊阿闍梨に仕える稚児となり、遮那王(しゃなおう) と呼ばれた。
遮那王は読書をよくし、仏教を熱心に学んだ。


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