源氏物語名場面㊴
藤壺宮 伍
『源氏物語』を執筆する紫式部
□
石山寺【源氏の間】
左後ろは娘の
賢子/大弐の三位(歌人)
◇
石山寺には
『源氏物語』は当山で
〈須磨〉と〈明石〉から書き
起こされたという伝承がある。
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藤壺はそう意を決した。
当時
出家者はたとえ夫婦だろうと、
性的関係をもってはならなかった。
源氏もさすがに手が出ない。
いわば
公に認められた源氏撃退法である。
■
藤壺は出家する素振りを
いっさい見せずに突然落飾した。
不意に
藤壺の尼装束を目にした
女房たちは吃驚して騒ぎ始めるが
すぐに静まり返ってすすり泣きが広がった。
源氏は
あまりの衝撃に呆然と立ち尽くしている。
■
数日後
源氏と藤壺は歌を詠み交わした。
源氏の贈歌、
○月の*すむ 雲居をかけて 慕うとも
*この*よの闇に なおや惑わん
*「すむ」澄むと住む *「こ」子と此 *「よ」夜と世
それぞれ掛詞
★
月の住む空のような
(出家された)貴女の澄み切った心境を
心にかけて
私も後を追って出家しても此の世の
子を思う心の闇にやはり迷うことでしょう
藤壺の返歌、
○おほかたの 憂きにつけては 厭えども
いつか*この世を 背き果つべき
世の中のあらゆることが辛いので出家しましたが
いつか
子の住む此の世への執着を断ち切れましょうか
光る君へ
2024年NHK大河ドラマ
メインキャスト
吉高由里子/紫式部
柄本佑/藤原道長
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