風光絶佳 アマルフィ
ギリシャの本土や島々を10日間ほど歩き、エーゲ海や地中海の船旅を楽しんで南イタリアのブリンディシに上陸。
映画『アマルフィ 女神の報酬』で、いちやく知名度の上がったアマルフィやナポリ、フィレンツェ、ローマなどを半月ほど歩き回って、今朝、バルセロナに着いたばかり。
日々、未知の世界への旅の途上で、日常生活の感覚ではなかったのだ。
日本で同じような状況に陥っていたら、はたしてどうだったろう。
恐怖心がストレートに襲ってきたのではないだろうか。
三太郎は気を取り直して、ようやく使い慣れてきた英語を組み立てた。
「今の食事は、東京でも1万円はしない。スペインは日本よりずっと物価は安いはずだ。18万円とは、どう考えても理不尽であり、とうてい支払う気になれない。店長に会いたい。店長を呼んでほしい」
わたしの下手な英語が聞こえたのだろうか。
中肉中背で愛想も恰幅もいい店長が、近くで待ってでもいたかのように、すぐに現れ、 愛想よく
「あちらへどうぞ」
店の奥にある、古くて重そうな鉄製のドアを指差した。
心に残るほどの、手馴れた仕草である。
だて男が開けたドアを身を屈めて入ると、警察の取調室を思わせる三畳ほどの重苦しい密室だ。
煙草のヤニの臭いが、むっと鼻をつく。
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だて男 ⑧密室へ
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