源氏物語
46帖椎本
薫23~24 匂宮24~25
大君25~26 中の君22~23
宇治平等院
宇治は、
平安貴族の別荘が営まれていた保養地。
平等院は、
藤原頼通の父・道長の別荘【宇治殿】が
あった場所に創建された極楽浄土【寺院】。
☆
永承7/1052年、末法の世に。
疫病や自然災害が頻発し死に対する不安
が広がったことで《極楽浄土》への憧れが強くなる。
その《極楽浄土》を
この世に現出しようとして頼通が《別荘》
の【宇治殿】を《極楽浄土》の【平等院】に改めた。
、
「そんな不埒なお気持ちでは、お二人を引き合わせることはできませんね」
薫が揶揄すると、匂宮は、
「もし私が浮気性に見えるのならば、それは心から素晴らしいと思える女君とめぐり会うまでの間だ」
苦しい弁明。
夕霧はいまも六の君を匂宮に嫁がせたがっているが、匂宮はあんな頭の固い舅を持つのは御免蒙ると断り続けている。
薫は2、3年前から夕霧の意を受けて匂宮に伝えていたが、特に最近は匂宮はまだ見ぬ宇治の中の君に夢中で聞く耳をもたない。
その中の君の存在を、大君とともに匂宮に紹介したのは薫だが--。
つい最近、女三の宮は実家の【三条の宮】が火災で焼失したので、【六条院】に移った。
そんなこんなが重なって多忙を極めていた薫は、八月、夏の盛りに故・八の宮の一周忌のため久々に宇治へ赴いた。
《山荘》は、風を通すために部屋を開け放してある。
玄関に回る前、にわかに突風が吹いた。
風に捲り上げられた御簾の間から、大君の麗しい姿がはっきりと見えた。
46帖『椎本』完
次回から、47帖『総角あげまき』
名作映画案内166
原題*The Legend of 1900
海の上のピアニスト
1999年公開
音楽*エンニオ・モリコーネ
監督*ジュゼッペ・トルナトーレ
主演*
ティム・ロス/ナインティ―ン・ハンドレッド 1900
★
1900年、
豪華客船の機関士ダニーはダンスホール
のピアノの上に赤ん坊を見つけた。
「ナインティーン・ハンドレッド」
と名付け育て始める。
1900は、船に揺られながら成長した。
十数年後の月明かりの夜。
ダンスホールから美しいピアノの
旋律が聞こえてきた--。
121分