源氏物語
41帖 幻
源氏52 夕霧31 明石の君43
明石中宮24 匂宮6 薫5
「スズメが飛んでゆく方を眺める若紫」
伝・土佐光起『源氏物語画帖』より。
傍らに尼君と侍女がいる。
左隅に
北山の僧都の僧房を垣間見る光源氏。
★
若紫を垣間見ると藤壺宮と瓜二つ、
数日後、自分の理想の女性に育てるため、
無理やり当時の邸、【二条院】に連れて帰った。
秋になり、紫の上の一周忌の法要が過ぎても、源氏は相変わらず物思いに沈んでボンヤリとした日々を過ごしている。
ある日、源氏は遥か上空を渡っていく雁行を眺めていた。
○ 大空を 通ふまぼろし 夢にだに
見えこぬ魂たまの ゆくへ尋ねよ
大空を飛び交う幻よ、
夢でさえ会えない亡き人(紫の上)の行方を捜してくれよ
何につけても紫の上を亡くした悲しみが紛れることはなく、月日が経つにつれていっそう紫の上のことが恋しく想われる。
出家した後に女君たちからの手紙が見つかればひどく気まずいので、源氏はすべてに目を通したあと火を付けさせた。
ただ須磨時代に届いた数多の手紙のうち、紫の上からの手紙は他とは別の束にしてあった。
たった今書いたような紫の上の典雅な墨跡は貴重な〈終生の形見〉にもなりそうだが、出家後に読めるはずもない。
名作映画案内125
生きる
1952年公開
監督*黒澤明
主演*志村喬/渡邉勘治
★
市役所の市民課長・渡邉は30年間
無欠勤の典型的な事なかれ主義のお役人。
ある日、
渡邉は自分が胃癌で余命幾許もないと知る。
絶望した彼は
歓楽街を彷徨い歩き飲めない酒を飲んだ。
自分の人生とは一体何だったのか…。
143分