源氏物語
41帖 幻
源氏52 夕霧31 明石の君43
明石中宮24 蛍兵部卿宮50 匂宮6 薫5
左:匂宮 右:不明(光源氏?)
尾形月耕 画
国立国会図書館所蔵
これ以上考えられない幸運な境涯でありながら、人生の最終章で最愛の紫の上を失ったばかりか、仏道にも専念できていない自分が源氏は不甲斐なかった。
明石中宮はようやく【御所】に戻ったが、源氏の慰めになるかと紫の上が可愛がっていた匂宮を【二条院】に残してくれた。
匂宮はまだ六歳だが、紫の上の遺言を健気に守っている。
それぞれの季節が廻ってくると、決まって、匂宮は庭の紅梅と桜を愛おしそうに眺めるのだ。
「桜の花びらが風で散らないよう、周囲に几帳を立てましょう」
匂宮がそう提案したとき、源氏は思わず頬を緩めて一首。
○ 植ゑて見し 花のあるじも なき宿に
知らず顔にて来ゐるうぐひす
植えて眺めた花の主人(紫の上)もいない宿に、
知らぬ顔して来て鳴いている鶯よ
源氏は、【六条院】の女三の宮の部屋へ匂宮を伴った。
匂宮はさっそく、一歳年下の薫と追い駆けっこを始める。
源氏があいさつを兼ねて今が満開の山吹の花の話をすると、女三の宮は、「出家の身に、花の風趣など--」。
名作映画案内122
原題*Jeux interdits 禁じられた遊び
1952年フランス公開
監督*脚本*ルネ・クレマン
音楽*ナルシソ・イエペス「愛のロマンス」
W主演*ブリジット・フォッセー/ポーレット(少女5歳)
*ジョルジュ・プージュリー/ミシェル・ドレ(少年11歳)
★
第二次世界大戦下のフランス
ドイツ軍によるパリ侵攻から逃れる途中
爆撃により両親と愛犬を亡くした少女ポーレット
は犬の死体を抱きながら川沿いの道を彷徨っていた。
その時、
牛追いをしていた少年ミシェルと出会う。
少年から「死んだものは土に埋め、お墓を作る」
ことを教わったポーレットは犬を埋め十字架を供えた。
それ以来、、
お墓を作って十字架を供える遊びに夢中になった
ふたりは教会や霊柩車からも十字架を持ち出して--。
87分