源氏物語
39帖夕霧
源氏50 紫の上42 落葉の宮(女二の宮)26
夕霧29 雲井の雁31 秋好中宮41 一条御息所
朱雀院53 致仕大臣(頭中将)52
紫式部像
日野山/越前富士を仰ぐ金色に輝く紫式部像
紫式部は、
多感な青春時代の1年半余を「越前の守」に任じられた
父・藤原為時とともに《国府》のある武生たけふで過ごした。
帰京後、
父の友人で数人の妻と子供のいる藤原信孝と結婚。
紫式部公園
平安時代の様式を踏襲した《寝殿造り公園》
福井県越前市
御簾の向こうから仄かに聞こえてきた落葉の宮の声や気配に魅かれて、夕霧はすっかり帰る気をなくしてしまった。
夕霧は、
「都へ帰る道が深い霧に閉ざされておりますのに、この山荘から追い立てようとなさる。
一歩外に出れば、私は途方に暮れてしまいます」
落葉の宮はこれまでも夕霧の秘めた想いに気付いてはいたが、いつも素知らぬ風を装っていた。
「たとえ軽薄な男と蔑まされても仕方がない。
長年、落葉の宮に恋い焦がれてきたことをお伝えしよう」
夕霧はこのような機会は二度とないだろうと考え、腹心の家来を呼んだ。
「律師にお話ししたいことがあるが、加持などで忙しそうだ。
今夜はこの辺に泊まって、*初夜の勤行が終わるころに律師の部屋に行く。
数名は、ここに留まるようにせよ。
*随身たちには来栖野の荘園が近いから、そこで馬に秣まぐさなどを喰わせるように伝えよ。
騒いだりして大勢いることを悟られてはならない。
もし、このような所で仮寝していることが露見すれば軽率なことをと世間に謗られるであろう」
*初夜そや
戌いぬの刻(午後7~9時)に行う勤行
*随身ずいじん
貴人の外出時、朝廷の命令で護衛として従った者。
弓矢を持ち、太刀を帯びた。
「殿には何か、ご事情がおありなのだろう」
家来はそう得心すると、夕霧に一礼して立ち去った。
名作映画案内92
原題*OTTO E MEZZO
8 1/2
1963年イタリア公開
映画監督の
グイドは創作に行き詰まって
クランクインを2週間先延ばしにしている。
グイドは
療養のため湯治場を訪れるが
妻や愛人、知人らの現実と幻影に
悩まされ映画の構想が全くまとまらない。
140分
イタリア映画には
ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ベニスに死す」や
フェデリコ・フェリーニの「8 1/2」など難解な作品が目立つ。