源氏物語
39帖夕霧
源氏50 紫の上42 落葉の宮(女二の宮)26
夕霧29 雲井の雁31 秋好中宮41 一条御息所
朱雀院53 致仕大臣(頭中将)52
御みす簾
「簾」の丁寧語。
宮殿や寺社で用いる場合のすだれの呼称。
夕霧は親しくしている落葉の宮付きの女房、中将の君に吐露した。
「こちらに参上するようになって長い年月が経ちますが、落葉の宮が相変わらず私を粗略に扱われるのは誠に恨めしいことです。
御簾越しに、しかも人伝にしか言葉をかけて下さらないなど、この齢になるまで一度もありませんでした。
あなたたちが私のことを嘲笑っているのではと思ったりも致します。
私のように愚かなほどに生真面目で融通の利かない者は他にいません」
中将の君は心配していた通りなので、落葉の宮に、
「夕霧の君が真剣に想いを訴えていらっしゃいますのに、今のままでは人の情けが分からない方だと思われましょう」
落葉の宮は、女房を介して夕霧に伝えた。
「母があの通り御挨拶を出来ませんのでわたしが申し上げるべきですが、見るからに苦しんでいる母を介抱しているうちにわたし自身もすっかり弱ってしまいました」
夕霧、女房に、
「それは、落葉の宮のお言葉でしょうか」
改めて居ずまいを正すと、落葉の宮に訴えた。
「私が長年、御息所のご病気を我がことのように心配しておりますのは何のためでしょうか。
名作映画案内90
原題*Vertigo めまい
1958年米公開
監督*アルフレッド・ヒッチコック
主演*ジェームズ・スチュワート/ジョン・スコティ・ファーガソン*キム・ノバク/マデリン・エルスター&ジュディ・バートン
★
ジョン刑事は、
逃走犯を追撃中に屋根から落ちそうになった。
そんなジョンを助けようとして同僚が誤って転落死。
ショックを受けたジョンは、
高い所に立つと眩暈に襲われる高所恐怖症に。
警察を辞めたジョンの前に、旧友のエルスターが現れた。
エルスターは
自分の妻・マデリンの素行調査を依頼。
彼女は曾祖母の亡霊にとり憑かれて
不審な行動を繰り返しているという。
ジョンは
マデリンの尾行を開始するが、
彼の見ている前で彼女は入水自殺--。
128分