源氏物語
38帖鈴虫
源氏50 紫の上42 入道の宮24 朱雀院53
夕霧29 冷泉院32 秋好中宮41 蛍兵部卿宮48
薫1柏木*入道の宮 匂宮2今上帝*明石女御
業ごうか火
仏教用語
悪業の報いによって苦しめられる
ことを火に焼かれることに例えていう。
地獄で罪人が焼かれる火をさす場合もある。
秋好中宮の独白、
「《物の怪》が女君たちに乗り移った様子などを詳らかにお聞きしたいのだが、父君(源氏)はまともに答えては下さるまい」
中宮、源氏に、
「亡き母(故・六条御息所)が、あの世で罪障の重さに苦しんでおられるとほのかに伝え聞いたことがございます。
娘としてはもっと早く、母の苦しみに気が付くべきでした。
しかし、母に先立たれた悲しみに暮れるばかりで母の後世の苦しみにまで思い至ることが出来ませんでした。
ずっと泣き明かすばかりで、ご冥福を祈らなかったことが悔やまれてなりません。
過日、ある高僧のお導きによって亡き母の身を焼く*妄執の業火の炎を少しでも冷ましてあげたいと考えるようになりました」
*妄執 成仏を妨げる虚妄の執念。迷いによる執念
それとなく、中宮は源氏に出家願望を仄めかした。
源氏、秋好中宮を諭すように、
「たとえ、今、貴女が出離して落飾なさったとしても、この世に執着が残らないとは限りません。
あわてて出家なさらず、そのお気持ちを徐々に強くして、母君のお苦しみが救われるように追善供養をなさいませ。
名作映画案内85
キャタピラー
2010年公開
監督*若松孝二
主演*寺島しのぶ/シゲ子
大西信/久蔵(夫) 他
★
戦争の愚かさを描く反戦映画
盛大に見送られ
出征していった久蔵が、顔面は
焼けただれ四肢はすべて失って帰って来た。
しかし
煌びやかな勲章をこれ見よがしに胸に付け
周囲から、「生ける軍神」と崇められて得意げだ。
妻のシゲ子は戸惑いながらも「軍神の妻」
として異常なほどの食欲と性欲に応えている。
敗戦が濃厚になると
久蔵は戦場で犯してきた悪行に苦しみ始めるが--。
84分