源氏物語
38帖鈴虫
源氏50 紫の上42 入道の宮24 朱雀院53
夕霧29 冷泉院32 秋好中宮41蛍 兵部卿宮48
薫1柏木*入道の宮 匂宮2今上帝*明石女御
たくさんの種類の虫の声がいっせいに聞こえてくる中で、やはり鈴虫の鳴き声がひときわ華やかで情趣がある。
源氏が、「松虫よりも鈴虫の鳴き声の方が明るく賑やかで親しみやすい」と話すと、
入道の宮、
○ おほかたの 秋をば憂しと 知りにしを
ふり捨てがたき 鈴虫の声
秋はつらく寂しい季節と存じておりますが、
鈴虫の鳴き声を聞くとこの世をふり捨てがたく思います
源氏、
○ 心もて 草のやどりを いとへども
なほ鈴虫の 声ぞふりせぬ
貴女はご自分からこの世をお捨てになられましたが
今もなお鈴虫の声のように華やかで若々しいことです
蛍兵部卿宮が、「今夜は十五夜だから恒例の《管弦の遊び》が催されるだろう」と思って【六条院】にやって来た。
夕霧が、音楽の素養のある殿上人たちを連れて来る。
上達部たちも、今年は【内裏】の《月の宴》が中止になったからと【六条院】に集まった。
みんなで、《虫の音の品評会》を開催した。
草むらに集く虫の音と競うように、各々が琴や横笛などを演奏して興趣が乗ってきた頃、源氏が口を開いた。
「月を眺めている時ほど、しみじみと〈物の哀れ〉を感じることはありません。
名作映画案内80
ノルウェイの森
2010年公開
原作*村上春樹の「同名小説」
監督*トラン・アン・ユン
主演*松山ケンイチ/ワタナベ
菊地凛子/直子 水原希子/緑
高良健吾/キズキ 他に、玉山鉄二ら
ワタナベはドイツ行きの
機内でビートルズの「ノルウェイの森」を
聴き、18年前の青春時代を懐かしんでいた。
帰国した彼は唯一の親友・キズキを
自殺で失い、東京で孤独な大学生活を始める。
そんなある日、
キズキの恋人だった直子と再会、逢瀬を重ねる。
だが心を病んだ直子は京都の病院に入院した。
ワタナベは大学で出会った緑にも惹かれ--。
133分