源氏物語
35帖若菜下
源氏41~47 紫の上33~39 女三宮15~21
夕霧20~26 柏木:25~31 冷泉帝23~29
明石女御13~19 明石の君32~38
夕霧、病床の柏木を見舞う
『源氏物語絵巻』
国立国会図書館デジタルコレクション
皮肉にしては、眼光が鋭い。
「寄る年波とともに、酒に酔うとなぜか泣きたくなるものだ。
衛門の督えもんのかみ(柏木の当時の役職)にはまだ分からないだろうが、若さなんて蜻蛉のようなもの。
歳月はけっして逆さまには進まないし、老いから逃れることは誰にもできない」
言葉こそ高圧的ではないが、源氏の射るような眼差しに柏木は怖気づいて胸が苦しくなった。
宴の途中、源氏の目を盗んで【六条院】をそっと退出する。
そして、そのまま病に伏してしまった。
柏木は結婚して以来、正妻・女二の宮の邸に住んでいるが、実の両親のたっての要望で実家で療養することになった。
しかし、柏木の病気はなかなか快復しない。
思いも寄らないことに、数日後、朱雀院から病気見舞いの御使いが遣わされた。
源氏からはお見舞いの手紙が届いた。
夕霧は様子を見にわざわざ足を運んでくれた。
女三の宮は柏木が重篤であることを知っているのだろうか。
35帖 若菜下 完
名作映画案内㉞
いまを生きる
原題*Dead Poets Society/死せる詩人の会
1989年公開
アメリカ映画
監督*ピーター・ウィアー
主演*ロビン・ウィリアムズ/ジョン・キーティング
★
1959年、
名門全寮制ウェルトン・アカデミーの新学期
OBで型破りの英語教師、
ジョン・キーティングが赴任してきた。
ジョンは厳格な校則に縛られている学生
たちに、「詩の教科書など捨て」て詩の本当
・の素晴らしさ、生きることの喜びを教えようとする。
授業の
急激な変化に学生たちは面食らうが、
次第にジョンの考え方に触発されて校則や親
の期待に縛られない自由な生き方に目覚めてゆく。
だが、
「ある事件」の責任を取ってジョンは辞職する。
★
20世紀半ばのアメリカ社会は
それほど家父長的だったのかと驚きます。
舞台は、南部ではなくニューイングランドです。
128分