源氏物語
35帖若菜下
源氏41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君32~38 柏木:25~31 明石女御13~19 冷泉帝23~29
紫の上関連系図
若紫(紫の上)の父・兵部卿宮は、
本文中では式部卿宮に昇進している。
柏木たちは通常のお見舞いの形をとっていたが、【二条院】に近づくと人々が泣き叫んでいる。
「やはり、紫の上はお亡くなりになったのだ」。
式部卿宮(紫の上の父)が、お悔やみもまともに述べられないほど憔悴した様子でやって来るとすぐに娘の部屋に入っていった。
入れ替わるように、夕霧が涙を拭いながら奥から出てきた。
柏木、
「先ほど縁起でもない噂を耳にしましたが、紫の上の御容態はいかがですか。
長らく病床に臥せっておられると伺っていましたので、取る物も取り敢えず駆けつけました」
夕霧、
「紫の上は何ヵ月も重篤状態で臥せっておられましたが、今朝早く、いったん息を引き取られたそうです。
物の怪の仕業とお聞きました。
しかし、験者たちの懸命な加持祈祷の甲斐があって徐々に息を吹き返されたそうです。
皆ひとまず安心しておりますが、まだ気がかりでなりません」
本当に心配らしく、夕霧は目に涙を浮かべている。
柏木は自分自身のよこしまな恋心に照らして、夕霧がそれほど親しくはない継母の病状をひどく気にかけていることを訝った。
名作映画案内⑯
この世界の片隅に
2016年公開
原作*こうの史代
監督・脚本*片渕須直
音楽*コトリンゴ
(声の)主演*のん(北條すず)
★
昭和19年2月、
すずは18歳のとき、広島市・呉の北條家に嫁いだ。
呉は海軍の拠点で軍港の街として栄えていたが
戦況は目に見えるように悪化の一途をたどり、
食料などの配給物資は日々減らされた。
それでも、
すずは食卓を飾ったり時には好きな絵を描いたりして
戦時下でも暮らしを楽しもうと工夫を凝らしていた。
昭和20年3月、
呉は空を埋め尽くすほどの米軍艦載機による空襲に
見舞われ、一家が大切にしていた物がことごとく焼失した。
4月7日
戦艦大和が呉港を出航して沖縄へ
向かう途中、米軍機の攻撃を受けて沈没。
8月6日
ピカッドン!黒い雨が降る
126分