源氏物語
第34帖若菜上
源氏:39~41 紫の上31~33 女三宮13~15 夕霧18~20
明石の君:30~32 明石女御:11~13 柏木:23~25
映画『新源氏物語』
葵の上/若尾文子 光源氏/市川雷蔵
葵の上は、
左大臣を父に桐壺帝の妹/大宮を母にもち、
幼いころから将来の東宮妃として育てられてきた。
それ故、
臣籍に下っている源氏との結婚が不満だった。
一方、
源氏が12歳で自分が16歳てあることに大きな引け目を感じていた。
年上女房は珍しくはないが、12と16はさすがにということらしい。
また、夫には憧れている女性がいることにほどなく気づく。
貴女が、あちらと仲良く暮らしていただけたら嬉しいのですが--」
紫の上は、これまで源氏のちょっとした浮気にもひどく機嫌を損ねた。
だから、源氏は、近く女三宮を六条院に迎えることを紫の上はどう思っているか心配していた。
しかし、紫の上はまったく気に留めていない様子である。
紫の上、
「ほんとうに、女三宮はお気の毒なことでございます。
こちらにお迎えすることを、わたしがどうして不愉快に思いましょうか。
もし姫宮にとってわたしが目障りてなければ、これからもこちらで暮らせるのですが--。
姫宮の御母女御/藤壺女御は、わたしの父方の叔母君に当たられるという御縁から、親しくしていただけるものと存じております」
紫の上の余りにへりくだった口ぶりに、源氏、
「そのような言い方をなさったら、私はかえって不安に駆られます。
とにかく、お二人が仲良く暮らして下されば、これほど嬉しいことはありません。
世間はとかく、だれが言い出したということもなく、根も葉もない作り話をまき散らすものです。
うわさは大部分がデタラメで、信じるに足りません。
シェルブールの雨傘
カトリーヌ・ドヌーブ