源氏物語
第34帖若菜上
源氏:39~41 紫の上31~33 女三宮13~15 夕霧18~20
明石の君:30~32 明石女御:11~13 柏木:23~25
映画『千年の恋 』
2001年公開
紫式部 藤原道長
吉永小百合 渡辺謙
のちに*『北の零年』(2005年)で再共演
渡辺謙は、公私共に辛かった時期に吉永から励ましの手紙を
もらい、『どんな役でもいいから、吉永さんの力になりたい』
と出演を懇願し、*本作への出演が実現したという。
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天海祐希といい渡辺謙といい(二人はたまたま大物)、
吉永小百合という人は、人を大事にしているのでしょうね。
「かつて光君が朝顔の前斎院にずいぶん御執心だった時も、ことさら結婚しようとはなさらなかったのだから」
長い年月を連れ添ってきた源氏と紫の上の間には、心の隔たりなどはすっかり取り払われていて、ほのぼのとした仲睦まじい夫婦である。
源氏は少しの間でも紫の上に隠し事があるのが心苦しいので、その夜は、六条院に戻るとそのまま床に就いた。
翌日、源氏は昼近くにやっと目覚めた。
外にはちらほらと雪が舞い、どんよりとした物淋しい空模様である。
源氏と紫の上は、先ほどから昔なつかしい思い出話にふけったり将来のことを話し合ったりしている。
そして、源氏は、辛いが、どうしても報告しなければならない朱雀院との約束を切り出した。
「昨日は、朱雀院が御病気ですっかり衰弱なさっているとお聞きしてお見舞いに上がりました、
院にも、いろいろと気苦労が多いようです。
とりわけ、出家されるにあたって後ろ盾のない女三の宮の身の上をひどく案じておられました。