第三十帖 藤袴
光源氏37 紫の上29 蛍兵部卿宮 玉鬘25 内大臣40
秋好中宮28 夕霧16 明石の君:28 柏木21
明石の姫君9 髭黒右大将32 花散里23
雲井の雁 弁少将 近江の君
冷泉帝19
風俗博物館
京都市
夕霧、
、
「それにしても、姫君のようなお人柄とお立場の方はどこに落ち着くのがもっとも幸せになれるのでしょう。
秋好中宮は、唯一無二の地位でいらっしゃいます。
弘徽殿女御は格式の高い家柄のご出身で、帝のご寵愛も格別です。
たとえ姫君が入内して帝のご寵愛を得ても、お二人と肩を並べることは難しいでしょう。
蛍兵部卿宮は、姫君にたいそうご執心のようです。
女御としての入内ではなくても尚侍として宮仕えに出せば、宮はご自分のお気持ちを無視されたとご気分を害されるのではないでしょうか。
父上とはたいそう仲の良いご兄弟ですから、お気の毒に存じます」
夕霧も、ずいぶん大人びたことをいう。
源氏、
「お前の言うとおり、なかなか難しい。
私の一存で姫の将来が決まるわけでもないのに、髭黒右大将も私を恨んでいるそうだ。
姫の人となりは、宮の北の方として相応しいであろう。
今風なのに、それでいて佇まいが優美だ。
聡明で間違いなど起こしそうもないので、夫婦仲もうまく行くであろう。
宮仕えに上がっても、立派に仕事をこなすと思う。
また容姿がすぐれているだけではなく才気煥発なので、必ずや帝のお気に召すであろう」
源氏があまりにも通り一遍のことしか話さないので、夕霧、
「父上が長い年月にわたって姫君を養育されてきた真意を、世間では変なふうに噂しているようです。
あさきゆめみし
大和和紀
『源氏物語』を漫画化した作品
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海外でも
各言語に翻訳されている。
