第三十帖 藤袴
光源氏37 紫の上29 蛍兵部卿宮 玉鬘23 内大臣40
秋好中宮28 夕霧16 明石の君:28 柏木21
明石の姫君9 髭黒右大将32 花散里23
雲井の雁 弁少将 近江の君
冷泉帝19
都府楼跡全景=『太宰府政庁』跡
九州全体を統括/遠の朝廷トオノミカドとも
『太宰府政庁』復元模型
『正殿』跡に建つ碑
太宰は大和朝廷が各地の豪族を統治するため筑紫のほか
東国・播磨・吉備・周防などに置かれたが、701年の
大宝律令制定によって筑紫以外は廃止された。
筑紫は、大和朝廷の「朝鮮半島政策」のため
の外交・軍事上の要衝ゆえに存続。
万葉歌人の大伴旅人は、トップの帥そちとして赴任した。
大宰大弐だざいのだいに=『大宰府政庁』の次官
長官は、太宰帥だざいのそち
玉鬘の乳母の夫は、太宰大弐として赴任した。
喪服の色
社会的にはどちらの父親も朝廷の柱石、太政大臣および内大臣という近づき難いほどの立派な政治家である。
わたしの悩みごとなど、相談してもお分かりいただけまい。
玉鬘は幼少期に父と別れ母に先立たれて天涯孤独の身となり、乳母に伴われて遠い九州の太宰府へ下った。
乳母の夫が、大宰大弐として『太宰府政庁』に赴任したのである。
それから数多の試練が待ち受けていた流浪の旅の末にやっと帰京、いまは、源氏の養女として【六条院】の〈夏の御殿〉で暮らしている。
世間の女たちがけっして体験することがないであろう、世にも数奇な運命に翻弄されてきた。
かねて玉鬘は冷泉帝から*尚侍として出仕するよう要請されている。
そのことを含めて、これからの身の振り方をあれこれ思案しているうちに辺りに夕闇が立ち込めてきた。
縁側の近くに出て、胸にしみるように黄昏れてゆく空の夕景色を眺めている玉鬘の姿は、はかないまでの情感をたたえて美しい。
*尚侍 ないしのかみ しょうじ
帝の近くに仕え、帝と臣下との連絡役を務めた。
のちには、女御・更衣に準じて【後宮】に列するようになった。
亡くなった大宮の服喪のため、玉鬘は薄い鈍色の喪服をしっとりと身に着けていた。
ふだんと違って渋い色合いの喪服に身を包んでいるからか、美しい玉鬘がいっそう麗しく華やかに見える。
女房たちが女主人をうっとりと眺めているところに夕霧がやって来た。
【HD】スーザン・ボイル
〜夢をつかんだ奇跡の歌声~