コノハナサクヤビメ 炎の中の出産
ニニギは、現代人の感覚からすると必ずしも徳性高く描かれてはいない。
どちらかというと狭量で、肩を怒らせて歩いている町のあんちゃんのようだ。
醜いからとイワナガヒメを送り返したことに加え、一夜の契りで身籠ったコノハナサクヤビメを、「どこかの国津神(くにつがみ:地上の神)の子なんだろう」と、妻をひどく責め立てる。
コノハナサクヤビメは、「もし天孫の子でなかったら無事に生まれないでしょう」というと、出入り口のない産屋に籠って火を放った。
やがて、炎が燃えさかる中でホデリ(火照命)、ホスセリ(火須勢理命)、ホヲリ(火遠理命)の三人の子を出産する。
この伝説から、コノハナサクヤビメは火を鎮める水神とされ、富士山の噴火を鎮めるため、浅間大社に祀られているのだ。
三人のうち、長子のホデリは漁を、三子のホヲリは狩りを生業とした。
それぞれ海幸彦(うみさちひこ)、山幸彦(やまさちひこ)と呼ばれる。
ある日、山幸彦は、しぶる兄の海幸彦を拝み倒して、獲物をとる道具を交換した。
しかし、いっこうに魚が釣れないばかりか、海幸彦が大事にしている釣り針を海で失くしてしまった。
海幸彦は、山幸彦がどんなに謝っても許してくれない。
「あの釣り針を返せ!!早く返せ!!」
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のぞきの系譜@記紀神話 山幸彦とトヨタマビメ②
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