中京区四条通七本松東入
朱雀院跡の説明板
朱雀院:平安時代における帝の譲位後の御所(後院)の1つ
朱雀院への行幸には春宮(とうぐう:皇太子)をはじめ、宮廷を挙げてお供した。
当日もやはり源氏と頭中将の「青海波」が一番の見ものであったが、承香殿(しょうきょうでん)女御の第四皇子が童姿(わらわすがた)で「秋風楽(しゅうふうらく)」を舞ったのも可愛らしく人気を博した。
その夜、源氏は正三位(しょうさんみ)に、頭中将は正四位下に昇進する。
そのころ、藤壺はふたたび三条邸に里下りしていた。
藤壺は生き写しといわれる源氏の亡き母・桐壺更衣同様、病弱のようである。
源氏はまたしても、藤壺に会える手はずを整えるよう乳母(めのと)の王命婦(おうみょうぶ。この時点で源氏と藤壺の密通を知っているのは手引きした王命婦のみ)にしつこく頼んだ。
ちゃんと読んだことのない人が、「『源氏物語』なんてどうせ劣情をそそるだけの下らないエロ小説だ」などと得意げに吹聴したり、同書が長く「禁断の書」だったりした理由は、けだし、この辺にあるのだろう。
たしかに義理の母と息子が密通して生まれた子が帝になるというショッキングな筋立てになっているが、「劣情をそそる」ような描写はなく「ほのめかし」だけである。
映画やドラマやアニメなど、映像作品における情交場面は集客や視聴率稼ぎのためだろう。
『源氏物語』は、時の権力者・藤原道長が一条天皇の気を引くため紫式部に執筆させた作品である。
道長としては、亡き兄(道隆)の娘である定子の部屋にいりびたっている一条の足を、どうしても自分の娘である彰子の部屋に向かわせなければならなかった。
天皇の外祖父になるためである。
定子には『枕草子』の作者、清少納言が仕えている。
一条自身もかなりの教養人で、高度な文化サロンを形成している定子のもとへ足しげく通っているようだ。
そこで、道長はハタと膝を打った。
新源氏物語 (上) 田辺聖子 (新潮文庫)/新潮社
¥724
Amazon.co.jp
*動画と記事は関係ありません
『吉永小百合 平和への絆コンサート』前日の記者会見
吉永小百合に食事に招かれて出演依頼を受け、初共演する坂本龍一、
「日本人で、吉永小百合さんから何か頼まれて何かしない人間はいないと思います。『ボク、何でもします』と言いたくなってしまいます。僕はサユリスト世代では下の方ですが、お墓参りに行って両親に報告します」
あの神経質で気難しそうな「世界の坂本龍一」が、まるで少年のよう。
光源氏も藤壷からなにか頼まれたら、きっと、「ボク、何でもします」
年下の若紫におねだりされたら、「なんでも言ってごらん」
ほかの女たちの場合は、どうなんだろうか。
歩いて行く二人 岸惠子と吉永小百合 人生を語る、未来を語る/世界文化社
¥1,944
Amazon.co.jp