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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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夢まぼろしの如く ⑯信長と光秀と斎藤利三

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$吉備路残照△古代ロマン-斉藤利三 斉藤利三の墓

父の斉藤利三より、娘のほうが後世に名を知られている。

徳川三代将軍、家光の乳母・春日局である。

父は次々に主君を変えているが、最後が明智光秀

光秀の、男気のある人物像を示す逸話が残っている。


光秀のすぐ前は、稲葉一鉄

性格の不一致から一鉄と喧嘩別れし、光秀に仕えた。

重用され、明智秀満とならんで筆頭家老として用いられる。

丹波平定後には、1万石の黒井城主にもなった。

そんな時、

旧主・稲葉一鉄は利三が惜しくなり、織田信長に頼みこんで取り戻そうとした。

信長は、一鉄の懇願を聞き届ける。

「光秀、利三を一鉄に返してやれ」

「一国を失うことになろうと、大切な家臣は手放せません」

「わしの命令を聞けぬのか」

「すぐれた家臣を集めなければ、上様に十分お仕えすることができません」


信長は立ち上がって、光秀の髪を掴むと床の上を引きずり回した。

廊下の柱に、光秀の頭を何度も打ちつける。

信長が刀に手をかけると、「上様、刀はいけません」。

周囲がようやく止めに入った。


この話を伝え聞いたとき、利三の胸中はいかばかりだったか。


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