安土城本丸跡
天正10年(1582)5月15日、徳川家康が武田討伐の礼と戦勝祝賀のため、武田家の降将・穴山信君(穴山梅雪)をともなって、織田信長を安土城に訪ねた。
饗応役を命じられていた明智光秀は準備に怠りなく、京や堺などの山海の珍味を取り寄せて、3日間、心を尽くして家康一行をもてなしていた。
その時のこと。
腐った魚が、調理場に置いてあった。
信長が激怒して、光秀を何度か足蹴にすると、即刻、饗応役から外した。
光秀は面目を失った。
小姓の森蘭丸に、光秀の頭を叩かせたという説もある。
ちょうどその頃、中国方面において毛利征伐の途上、備中高松城の清水宗治と対峙していた羽柴秀吉から、援軍の要請が届いていた。
饗応役を解任すると、光秀をすぐに坂本城へ戻し、秀吉の旗下に馳せ参じるよう命じる。
秀吉の指揮下で、毛利に当たれということだ。
以前、秀吉は、北陸方面で上杉謙信と激しく戦っている柴田勝家の下につくよう命じられたのが面白くなく、いったん勝家のもとに出向くも、勝手に長浜城に帰ってしまった。
どこかの方面司令官に任じられたい秀吉の、打ち首を覚悟した一世一代の賭けだったのかも知れない。
光秀と秀吉の関係は、秀吉と勝家の関係よりもっと微妙だったのではないだろうか。
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夢まぼろしの如く ⑮信長と光秀と家康と秀吉
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