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平家物語の群像 頼朝の布石⑨北条時政、義経追討へ

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$吉備路残照△古代ロマン-後白河  後白河法皇

頼朝が、北条時政に6万騎を預けて義経追討のため上洛させるという噂が流れた。

義経は、宇治と勢田の橋を落として防戦しようとも思ったが、やはり衆寡敵せず。

いったん九州方面へ落ち延びることにした。

そして、緒方維義に、「力を貸してほしい」ともちかける。

維義は源平合戦のころ、平家一門を九州に入れず追い返したほどの有力者である。

「義経殿の家人の菊地高直は、わたしの年来の敵。身柄をもらい受けたあと味方しましょう」

義経がためらわず引き渡すと、すぐに高直を六条河原へ引き出した。

文治元年(1185)11月2日、義経は院の御所に参上し、大蔵卿の高階泰経を通して後白河法皇に奏聞する。

「今さら申し上げることではありませんが、一の谷から壇の浦まで、平家を攻め滅ぼして世を鎮めたのは、この義経です。褒賞を頂けるところなのに、鎌倉の頼朝御家人たちの讒言によって私を討とうとしております。

宇治と勢田の橋を落として防戦しようとも思いますが、それでは都が戦場になりましょう。いったん、九州方面へ落ちます。どうか、院の御下文(くだしぶみ:命令文書)を一通頂けないでしょうか。一生のお願いでございます」

後白河は、どうすべきか公卿たちに相談した。

「頼朝がこのことを聞いたら、どう思うだろうか」



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