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「者ども、聞いたか。合戦前に勝浦に着くとは実に縁起がいいではないか」
義経が、親家(ちかいえ)に尋ねる。
「この辺りに平家の味方をする者はいるか」
「阿波民部・田口成良(しげよし:四国最大の豪族)の弟で、桜間能遠(よしとお)という者がおります」
「そうか、ならば蹴散らして通ろう」と親家勢百騎の中から、人と馬を選りすぐって30騎を自軍につけた。
能遠の城に押し寄せると、三方は沼、一方は堀。
堀の方から押し寄せて、どっと鬨(とき)の声を上げる。
城兵が次々に矢を放ってきたが、義経勢はものともせず城内に攻め込んだ。
能遠は敵わないと思ったか、馬に乗って命からがら逃げ落ちていった。
義経は城兵20余人の首を刎ね、軍神の祭壇に祀った。
「門出よし」 (以下、義経のセリフは原文)
親家に訊いた、「これより八島には幾日路ぞ」
「2日です」
「八島には勢いかほどあるらん」
「千騎は、いないはずです」
「など少ないぞ」
「四国の浦々や島々に50騎、100騎と配置しています。その上、阿波民部の嫡子田内教能は、呼び出しに応じない伊予の河野通信を攻めようと、3000余騎で伊予へ向かいました」
「それは好機だ。気づかれないうちに急いで攻めよう」
駆けたり歩いたり急いだり休んだりしながら、阿波と讃岐の国境にある大坂越という山を、夜を徹して越えていった。
その夜、義経は正式な書状を持った男と道連れになった。
昨年あたりから、日・中の国力が史上初めて並んだと言われている。但し、日本は下り坂、中国は上り坂。外交がよほどしっかりしないと……。「trust me」の鳩山由紀夫氏を、絶対に外交顧問に再任してはならない。
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