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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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平家物語の群像 平知盛④主もなき空しき船は

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$吉備路残照△古代ロマン-平知盛の墓  平知盛の墓 福岡県久留米市田主丸町

巨砲などの果樹栽培が盛んな福岡県の田主丸町に、平知盛ゆかりの平神社がある。

その一角に、平知盛の墓があり、近くに2基の石塔が建っている。

源平の国盗り合戦に決着がついて、源頼朝が鎌倉に幕府を開いたころ、筑後地方の吉木(久留米市草野)に向かう数十名の武装集団があった。

知盛とその一党だが、女房や子供らの姿も見える。
 
一行が筑後川を渡って中尾の里に着いたころ、草野の竹井城に遣わしていた家臣が駆け込んできた。

「これより南に向かうのは危険です」

竹井城主の草野永平は、平家の加護のもとでこの地方を治めてきた一族である。

頼りにしていた豪族に裏切られたことを知った知盛と家臣たちの顔が青ざめた。

「竹井城家老の合原外記が、攻めて参りましょう」

ほどなく、数百騎はあろう軍勢が砂埃を巻き上げながら迫ってきた。

「ここは御大将の首さえ差し出せばすむこと。私がその役目を務めましょう」

乳母子の伊賀家長が、知盛の身代わりに立つという。

「それはならぬ。こうなったら全員玉砕だ」

知盛は家長の申し出を一蹴しようとした。

「壇ノ浦で御大将の身代わりを立てて、落ち延びたは何のためでしょう。平家再興を念じてのことではありませんか。御大将は平家再興を果たされる唯一のお方」

          ……       ……

○汀(みぎは)に寄する白波も、薄紅にぞなりにける。主もなきむなしき船は、潮に引かれ、風に従つて、いづくをさすともなく揺られ行くこそ悲しけれ。

波打ちぎわに寄せる白波も、薄紅色になった。乗る者のいない船は潮に引かれ風に任せて、どこに向かうともなく揺られていくのが物悲しかった。


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