源氏物語
51帖 浮舟
薫27 匂宮28 中の君27 浮舟22
内だいり裏
現在の【京都御所】は、
もとは《*里内裏》の一つとして
用いられた【土御門東洞院殿】である。
*里内裏
内裏が火災で焼失する度に
天皇は藤原氏などの邸宅に移り住んだ。
そこを、《里内裏》と呼んだ。
しかも《別荘》の方に目をやると3、4人の厳つい武士たちがこちらを睨み付けている。
もはや諦めるほかない。
匂宮は《別荘》を目前にしながら浮舟に会うことが出来ず、後ろ髪を引かれながら已むなく馬首を返した。
遠ざかる馬上の匂宮の後ろ姿を目で追いながら、浮舟もまた悲しみの涙に暮れていた。
近くで、宇治川が轟々と音を立てて流れている。
これまで何度となく脳裏に浮かんできたことだ。
今度こそ、激流に身を投げてこの世から消えてしまおう。
浮舟、
○嘆きわび 身をば捨つとも 亡き影に
憂き名流さむ ことをこそ思へ
嘆き悲しんだ挙句わが身を捨てるにしても
亡きあとに情けない評判が流れることが辛い
51帖「浮舟」完
名作映画案内230
赤線地帯
1956年公開
監督*溝口健二
W主演*京マチ子/ミッキ-
*若尾文子/やすみ
★
売春防止法施行直前の吉原
国会で
売春防止法の審議中、
吉原の遊郭『夢の里』には銘々の
事情で身体を売る女たちの姿があった。
85分