源氏物語
50帖 東屋
薫26 匂宮27
中の君26 浮舟21 夕霧52
〈宇治十帖〉登場人物
三条辺りの《寓居》に残された浮舟は、孤独を噛み締めながら寂しく過ごしていた。
「こうして生きているだけでも、肩身が狭い」
涙ながらに帰って行った中将の君は、ずっと娘の行く末を案じている。
どうすれば浮舟が幸せになれるか、信頼にたる男君に嫁がせることができるか思い悩む日が続く。
あの「事件」が世間に流布して、浮舟が軽薄に思われたり言われたりすることが心配でならない。
風の音に秋の気配を感じ始めるころ、薫のもとに宇治の【御堂】が落成したとの報が入った。
さっそく現地へ向かうと、かつて故八の宮たちが住んでいた《山荘》の跡地には立派な《屋敷》が建っている。
遣水の近くにある石に座って、
○ 絶え果てぬ 清水になどか 亡き人の
面影をだに とどめざりけむ
涸れることのないこの清水にどうして亡くなった方の
面影だけでも留めておかなかったのだろう
涙を拭いながら薫は、弁の尼を訪ねた。
「浮舟様はこのところ【二条院】にいらっしゃるそうですが、まだお訪ねしておりません。
よろしくお伝え下さい」
名作映画案内215
原題*All About Eve
イブの総て
1950年公開
原作*
監督*脚本*ジョセフ・L・マンキウィッツ
主演*ベティ・デイヴィス/マーゴ・チャニング
アン・バクスター/イヴ・ハリントン
★
女優志望のイヴは、
憧れの女優マーゴの付き人となる。
マーゴはイヴに目をかけるがイヴは次第
に批評家やマーゴ周辺の人々に取り入ってゆく。
ある日、
舞台に間に合わないマーゴの代役として
出演するとイヴは批評家たちから絶賛された。
この舞台を機に劇作家や批評家らに阿り
マーゴを踏み台にスター女優へ---。
144分