源氏物語
40帖御法(みのり)
源氏51 紫の上43 女二の宮27 夕霧30
雲井の雁32 明石の君42 明石中宮23
匂宮5 朱雀院53 致仕大臣/頭中将52
致仕大臣
系図では「前の太政大臣」
御法関連系図
あらまし
源氏51歳三月~八月
紫の上は大病以来体調が
優れず出家を望むが源氏は許さない。
三月十日、
紫の上発願の法華経千部の
供養が【二条院】で盛大に行われた。
明石の君や花散里も訪れ、
紫の上はこれが最後と別れを惜しむ。
夏
紫の上の容態はいっそう悪くなり、
明石の中宮も養母の見舞いのため里下り。
紫の上は、匂宮に庭の桜を愛
でて、時折仏に供えて欲しいと遺言。
秋の夕暮れ、
明石の中宮と源氏が病床を訪れ歌を詠み交わす。
翌日の明け方、
紫の上は容態を崩し中宮に手を取られ永眠。
源氏は側から離れようとしない。
八月十四日
亡骸が荼毘に付され翌朝葬送が執り行われた。
今上帝や致仕大臣、秋好中宮など大勢が弔問に。
紫の上は死霊に取り憑かれて陥った瀕死の状態から生還した後も、健康を取り戻すことはなくか細い命をつないでいる。
源氏、
「紫の上に先立たれたら、どうやって生きて行けば良いのか」
悲嘆に暮れる源氏を見ると、紫の上はたまらなく遣る瀬ない。
〈出家したい〉との年来の願望を源氏がどうしても許してくれないので、紫の上はせめて【二条院】で法要を営み千部の法華経の経文を奉納することにした。
法要には、【六条院】の明石の君と花散里も参列。
紫の上はふだんから可愛がっている孫の匂宮に、ふたりの女君それぞれに宛て詠んだ和歌を届けさせた。
明石の君への和歌には〈寿命が今にも尽きようとしている悲哀》を詠んであった。
○ 惜しからぬ この身ながらも かぎりとて
薪尽きなむ ことの悲しさ
惜しくもないこの身ですが、
これを最後として薪(命)の尽きることを思うと悲しゅうございます
名作映画案内116
ROMA
メキシコ・アメリカ合作映画
2019年日本公開
監督*アルフォンソ・キュアロン
主演*ヤリッツァ・アパリシオ/クレオ(家政婦)
★
1970年代のメキシコ
医師アントニオの
家に住み込み家政婦として働くクレオは
子供たちの世話や家事などに一日中追われている。
滅多に帰ってこないアントニオには愛人がいた。
別居を決意する妻ソフィアは将来に不安を募
らせるが、ある日、クレオの妊娠が発覚。
135分
キュアロン監督の半自伝的映画。
タイトルは「伊」のローマではなく
メキシコシティのコロニア・ローマに因る。
Netflix作品として
初めて日本の映画館で公開された。