源氏物語
39帖夕霧
源氏50 紫の上42 落葉の宮(女二の宮)26
夕霧29 雲井の雁31 秋好中宮41 一条御息所47
朱雀院53 致仕大臣(頭中将)52
若紫後の紫の上
伝・土佐光起筆『源氏物語画帖』
スズメが飛んでゆく方を
眺める若紫や尼君、侍女がいる
【僧坊】を柴垣越しに垣間見る光源氏。
原文の情景とは異なるが、
このとき源氏が目撃した若紫が憧れの
藤壺宮と瓜二つであることに驚いて、後日、
強引に自邸【二条院(当時)】に連れ帰って養育する。
のちに
藤壺宮と若紫(紫の上)が
叔母と姪の関係であることが判明する。
この婚姻は、かつて朱雀院の押し付けで〈理想の妻〉紫の上よりも身分の高い女三の宮が源氏に降嫁したことに重なる。
女三の宮が「正妻」となり、それまで*正妻格として【六条院】の女君たちの世話をしてきた紫の上の立場を揺るがせた。
*正妻格
若紫(紫の上)は源氏が自らの手で〈理想の妻〉に育て
ようと拉致してきた女性で正式の婚姻関係を結んでいない。
それゆえ、「正妻」にはなれなかった。
〈永遠の女性〉故・藤壺中宮と生き写しで、姪にあたる。
女三の宮の突然の降嫁は紫の上をいたく失望させて、源氏との間にすきま風が吹くようになった。
幼い頃から源氏に掌中の珠のように育てられてきた紫の上が、初めて嫉妬や人生の悲哀そして苦悩を知る。
昼下がり、夕霧が【三条邸】に戻ると、雲居の雁が見るからに不機嫌そうな様子で横になっている。
懸命に宥めすかすが、雲居の雁の気持ちは収まるどころか夕霧が言葉を掛ければかけるほど激しい怒りと悲しみと嫉妬に突き動かされていった。
「当面、手を付けられない」
夕霧は諦めて再び【一条邸】に出向くと、女二の宮は相変わらず塗籠に閉じこもっている。
女二の宮を叱りつけるわけにもいかず、女房たちに鍵の掛かっていない塗籠の入口へ案内させた。
名作映画案内114
駅 STATION
1981年公開
監督*降旗康男
脚本*倉本聰
主演*高倉健/三上英次
いしだあゆみ/三上直子
大滝修/相馬 池辺良/中川警視
★
1981年1月某日
オリンピックの射撃に出場する警官の英次
は雪の舞う銭函駅のホームで妻の直子
と4歳の息子・義高に別れを告げた。
離婚を受け入れた直子は
動き出した汽車のデッキから笑いな
がら敬礼しているが目には涙が溢れている。
その頃、
英次の上司・相馬が連続警察官射殺犯に射殺された。
「お前には、国民の期待がかかっている」中川警視
の言葉に犯人を追跡したい願いは叶わなかった。
あたかも
東京オリンピックでマラソン銅メダル
の円谷幸吉が自殺したことをテレビが報じた。
132分