平氏系図
時子は、清盛と同じく桓武平氏の血筋を引いているが、系統が違う。
清盛の父祖が伊勢地方に受領として土着したのに対して、時子の家は中級貴族として代々朝廷に仕えていた。
清盛は山っ気のある中小企業のオーナーの後継者で、時子は安定した中央官庁の中堅幹部の娘と思ったらいいだろうか。
清盛の父祖は、成功して莫大な財産をためこんだ。
時子の方はいろんな面で安定はしているものの、生活水準は並みであろう。
前者を武家平氏、後者を公家平氏(堂上平氏)という。
大治元(1126)年、時子は平時信と二条大宮(令子内親王)の半物(はしたもの、下仕えの女房)のあいだに生れた。
「平家にあらずんば人にあらず」で有名な時忠は、同母弟。
高倉天皇の生母建春門院(滋子)は、異母妹である。
時子は自らの第一子である宗盛の誕生により、清盛の後妻として迎えられたというが定かではない。
清盛の最初の妻は、『平家物語』の作者が大好きな嫡男重盛と基盛を産んだが、病気で早く亡くなっている。
時子は、宗盛のほかに知盛、重衡、徳子らを産んだ。
先にみたように、平家の興亡を知り尽くしている時子だが、『平家物語』の中で主役級の役割を与えられている場面は意外に少ない。
どちらかというと、脇役に甘んじている。
幾つかのエピソードを拾ってみよう。
まず、娘徳子の夫である高倉天皇の愛人問題から。
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平家物語の群像 二位尼②武家平氏と公家平氏
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